アートセラピーで癒しと気づきを

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■アートセラピーではどのようなことを行うのでしょうか?

基本的な流れですが、まず最初に問題からピックアップしたテーマを選び、そのイメージを表現するのにぴったりの素材を用い、それを形にしていきます。(アートセラピーの“アート”の部分)

例としては、クレヨンや絵の具などで絵を描いたり、粘土やウッドチップスを用いて立体作品を作ったり、雑誌から写真を切り抜いて行うコラージュをしたり等々、さまざまあります。

それが完成したら、表現されたものについて浮かんだイメージや気持ちについて、セラピストと話し合ってきます。流れによってはそれが次の作業につながっていきます。その時どのようなアプローチをするかは、ケースによって実にさまざまなやり方があります。(アートセラピーの“セラピー”の部分)

■アートセラピーにはどのような効果がありますか?

ストレスや葛藤は、頭の中で堂々巡りをしている思考と、その緊張が体に反映されたものです。それを、絵や粘土などの表現を通し、いったん自分の外に出していきます。そうすること自体、カタルシスと言ってこころの浄化法になります。

また、いったん外に出したものに対しては、距離を置いてみることができますし、その状況をコントロールする視点を持つことができるわけです。そして、セラピストの助けを借りながら、自分の状況に対しての気づきを得ていきます。

多くの状況は、この気づきを得ることで変わっていきます。


■ほかの方法との違いはどのような点ですか?

なんといっても大きな違いは、手で触れることのできる具体的な素材を通して自分の思いや感情やイメージを表現し、出来上がった絵や造形作品をコミュニケーションの手段とすることです。

言葉を主体としたカウンセリングでは、話した言葉は残りません。形にすることで客観的な視点で距離を置いて問題を見つめていくことができるわけです。

それと、そのプロセスでは作り手の“創造性”を大切にしていきます。
実は、この“創造性”こそがあらゆるこころの問題の特効薬なんです。別な言い方をすると、誰でもが本来的に持っている“創造的に生きること”を、何らかの理由でブロックされていることにより、人はさまざまなストレスを抱え、心の病を作っていくわけです。

■絵は苦手なんですが、大丈夫でしょうか?

絵のうまい下手はまったく関係ありません。必ずしも具体的な絵を描く必要もありませんし、色をただ塗っていくだけでもいいです。極端な例では、何気なく引いた一本の線をからも大きな気づきが得られる場合があります。


■回数はどのくらい必要でしょうか?

抱えている問題によって異なってきますが、2、3回で当面の問題に解決を見て終わる人もいれば、じっくりと自分の問題に取り組みたい人は、月に1回くらいのペースで長く続けている人もいます。

いずれにせよ、クライエント本人とセラピストとで相談して決めていきます。

■パニック発作があるのですが、今すぐに解決したい問題にも効果はありますか?

緊急に対処が必要な場合は、アートセラピー以外のアプローチ(TFTなど)も行います。まずは緊急の症状に対処し、こころにゆとりを作り、それからゆっくりとアートセラピーにて問題に向き合っていきたいと思います。


■現在神経科で通院治療中ですが、アートセラピーを受けることはできますか?

その場合はあくまでも主治医の治療がメインとなります。ですから、基本的に主治医の了承は得ておいた方がいいと思います。

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